こんにちは。
喜多川泰氏「よくがんばりました。」を読みましたので、感想を記事に。
こちらの本は、絶縁状態となっていた父と子の物語となります。
父の死を知った主人公が、約40年ぶりに故郷へと足を延ばし、それまでは考えようともしなかった父の本当の想い、そして人の思いや生き方について知ることになっていくのです。
本書で特に大事だと思ったことがいくつもありました。
- 誰もが『可哀想な私』という殻に閉じこもっている。そうではなく、すべての人にそれぞれの苦労や苦しみがあるのである。
- 他の人の人生に起こるすべてのことを受け入れて生きるだけの強さはないけど、他の人だって私の人生を受け入れて生きるだけの強さはなく、それこそが人間の凄みである。つまり、すべての人が、その人の人生を懸命に生きているということ。
- 見る人の価値観によって、その人の人となりが違って見える様は、物体に光が当たる方向によって影も全く違ってくる様子と似ている。つまり人の性格なんて、見る人の価値観によって違ってくる投影図のようなのだ。しかし厄介なのが、他人の価値観によって浮き出された自分の影ばかり(つまり、本体の見え方)気にして、自分の本体を考えることができないことがある。『今・ここ』に集中して生きることが何より大事。
- 迷惑を掛け合うのが家族。迷惑をかけないように気を遣っていたら、それでは他人と同じになってしまう。
- どんなに苦しいことが起きても、時がたてば自分にとって良かったんじゃないかと思えるようになる。後悔や申し訳なさがなくなるわけではないが、それでも前を向いて進んでいこうという気持ちになる日がやってくる。
- 人間は自分の声を一番たくさん聞いて生きている。本を読んでいろんな人の人生を知るにしたがって、相談相手はいつも心のなかにいるのである。
人と人というものがどういうものなのか、なんとなくでもわかるような気がしてきます。