為末大「諦める力」を読んで

どうも、ぶんちょです。

初投稿になります。

今回は、書籍「諦める力」(著:為末大)を紹介します。

この本は、僕が休職に入ってから初めて読みたいと思ったものです。

当時、休職中の僕はその後の状況を考えるととても億劫な気持ちになっていました。

退職等により環境が変わるかもしれないことに対して、なかなか勇気が出ない状態でした。

※ちなみに転職経験が無いことも、不安に拍車をかけてきました。

そんな中出会ったので「諦める力」でした。

変わらざるを得ない状態・変わりたいと思う気持ちであった僕には、非常に突き刺さる感覚があり、

読めば自分の背中を押してもらえるかもしれないと感じて、読み始めました。

読んだ感想をはじめに記すと、気持ちが少し楽になりました。

変わることに対して勇気を持てず、不安な気持ちな状態でしたが、

環境を変えても進むことができる、と思うようになりました。

そんな勇気をもらった本を紹介したいと思います。

第1章 諦めたくないから諦めた

著者の為末さんは、元陸上競技選手です。

第1章では、為末さんが短距離走選手であることを諦める話から始まります。

長距離走の方が向いているけど短距離走への憧れもある、

そんな状態からポジティブな考えに至るまでの話です。

今の僕にとって、何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近い。もっと若いころは「やめる」ことは「諦める」こと、「逃げる」ことだった。

「諦める力」より

一般的に「やめる」ということにはネガティブな印象があるかもしれませんが、

それはもっと視野を広くすれば、ポジティブな考え方へと変わるのです。

為末さんにとっては、「短距離走への憧れ」から視野を広く考えた結果、内に秘める本心は「勝つこと」であった。

つまり、短距離走をやめることは、「勝つ」ためへのポジティブなことであるということなのです。

章タイトルに照らし合わせると、

(勝つことを)諦めたくないから(短距離走を)諦めた

ということになります。

第2章 やめることについて考えてみよう

この章では、やめたこと・やめなかったことによる人生への影響について話されています。

世の中には「やめなかったから結果が出た」というような話が多くあるでしょうが、

「やめないこと=成功」とは必ずしも言えないと思います。

「自分には合わなかった」

本質的には、ただそれだけのことではないだろうか。

「諦める力」より

やめないことによる人生へのネガティブな影響もあるということを、しっかり頭に入れておきたいところです。

それを意識することができれば、変化を恐れずに受け入れることができるのかもしれません。

第3章 現役を引退した僕が見たオリンピック

スポーツの世界に限らないと思いますが、成功体験が注目されることが多いように思います。

それについては本でも触れられており、為末さんはアスリートにとっては失敗体験も大事だと記しています。

「負けて悔しいでしょう?」

この質問に対して、ツイッターなどで「あの質問はひどい」という反応をした人がかなりいた。

僕はそんなに違和感は持たなかった。

「諦める力」より

失敗体験が人を成長させる、それは事実としてあるように思います。

「失敗」はネガティブな言葉であるが、それは次の「成功」への道筋でもあるでしょう。

「失敗は成功のもと」ということです。

第4章 他人が決めたランキングに惑わされない

この章では、自分にとって大事なことを自分自身で選ぶ・決めることについて記されています。

人間(特に日本人)が他人が決めたランキングに振り回されているのは、想像できることでしょう。

例えば就職活動では、大企業や中小企業の違い、会社ランキングなどに学生が頭を悩ませることだと思います。

誰もが知っている「いい会社」から内定をもらえなくて意気消沈している学生には、こんな言葉をかけたいと思う。

「あなたが就職した先に描いている大きな目的は何だろう。それはランキング上位の会社に入らないと実現できないことなのか」

「諦める力」より

私も就職活動した経験があり、今は転職について悩んでいるところですが、

自分にとって大事なこと、仕事をする上での指針のようなものがしっかりあれば、

他者によって決められた物差しに振り回されずに、より良いところへ進むことができる気がします。

第5章 人は万能ではなく、世の中は平等ではない

人は、生まれながらに階級や才能の差があるのかもしれません。

劣等感や敗北感を感じることもあるでしょうか、しかしそれがあることで努力することができるとも思います。

「オンリーワン」という考え方に対して、為末さんは以下のように記しています。

「あなたはオンリーワンだからそのままでいい」という考え方の落とし穴は、社会に存在する物差しで自分を測ることを諦めなさい、というところである。

「諦める力」より

オンリーワンであるということは「自分らしくあることを受け入れること」のような気がします。

しかし、作中でも触れらていますが「自分らしく」という言葉ほど、自分らしくないということが考えられます。

つまり、「自分らしく」というのは、他人や環境といった自分以外のものからの影響により形成されていくこと。

初めから自分らしい人はおらず、いろいろな影響を受けてその人が出来上がっていく。

オンリーワンという言葉で変化を諦めるのではなく、オンリーワンになるために変化を受けいれることが、

僕にとっても大事なことかもしれないと感じました。

第6章 自分にとっての幸福とは何か

最後は「幸福」についての話になります。

何でもかんでも手当たりしだいに手に入れることで、幸福が得られるわけではない。むしろ、ある段階がきたら「もうこれはいらない」と手放していくことで、幸福が近づいてくるのではないだろうか。

・・・

何か一つだけ諦めないことをしっかりと決めて、残りのことはどっちでもいいやと割り切ったほうが、幸福感が実感できるような気がする。

「諦める力」より

全てを手に入れることはできない、なんとなく人々が感じていることだろう。

実際そうだと思いますし、それが普通だと思います。

ただ、そのような中でどうすれば人は幸福になれるのか。

仮にすべてを手に入れられれば幸福になれるのか、それは違うと思います。

手に入れてもその状態では満足がいかなくなること日が来るでしょう。

だから、諦めないことを何か心に決めることで、ほかのことを諦めることができるのだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA