どうも、ぶんちょです。
今回は、書籍「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」(著者:グレッグ・マキューン、翻訳:高橋璃子)を読みました。
本書は、エッセンシャル思考である「より少なくより良く」という考え方を学ぶことのできるものになります。
本記事では、本書の感想と要約を掲載します。
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1章:エッセンシャル思考とは?
まずエッセンシャル思考とは何か?
結論から言ってしまいましょう。
「より少なく、しかしより良く」という自分の力を最大限の成果に繋げるためのシステマティックな方法
・・・本当に重要なことを見極め、重要でないものは捨てることで、最高の成果を生み出す
エッセンシャル思考では、最大の成果をあげるためにはより少ないものに集中することが重要であると言います。
より少ないもの=本当に重要なもの
であり、実行できれば人生における成功や充実感を得ることができるそうです。
また、エッセンシャル思考を身につける上で、さらに大事になるのが「捨てる」技術を身につけることです。
この捨てる力が本書の肝の部分になっていると思います。
では、エッセンシャル思考の基本についてまずは見てみましょう。
【①選択】
・・・選ぶ力を取り戻すことが重要であり、自分自身で時間とエネルギーの使い道を選ぶ。
【②ノイズ】
・・・世の中の大半のものはノイズ(無価値)であり、本当に重要なものはほとんどない。そのため、何が重要かを見極める必要がある。
【③トレードオフ】
・・・何かを選ぶことは何かを捨てることであり、何に全力を注ぐかが大事となる。
エッセンシャル思考を身につける上で基本となる考え方になります。
最大の成果に繋げるにはこれらの考え方が基礎となり、実行することが大事なのです。
以降の章では、エッセンシャル思考を身につける上での考え方や具体的な方法が説明されています。
2章:見極める技術
エッセンシャル思考の人は、あらゆる選択肢を検討したうえで、重要なことを見極めイエスと言う。
2章では、大量のどうでもいいことの中から、少数の本質的なことを見極める力について説明されています。
本質的なものを見極めるためには、まずは選択肢を調べないことには始まりません。
しかし非エッセンシャル思考の人は、とにかく目の前のことに反応したり飛びついたりしてしまいます。
一方、エッセンシャル思考の人はすぐに飛びついたりせず、調査と検討にたっぷり時間をかけて選びます。
そしてそのためには考えるための余裕を作り出す必要があります。
ここで大事になるのが”集中”です。
エッセンシャル思考における集中とは、単に一つの問題を考え続けることではなく、100の問題をじっくり検討できるだけのスペースを確保することであります。
つまりは、常に視野全体を把握して焦点を調節することになります。
また、集中というのは向こうからやってくるわけではなく、自らがそうする状況に持っていくしかないようです。
- 集中するためには、集中せざるをえない状況に自分を置くしかない。
こういうことですね。
重要なことを見極めるには、情報の本質をつかみ取る必要があります。
そこでジャーナリストの目を養うことが役に立ちます。
①日記をつける
・・・日記は、脳のバックアップ装置のようなもの。日記をつけることで日々の大きな流れを把握し、違いに気づくようにする。
②現場を見る
・・・現場に足を運び、自分の目で問題を確かめることで、問題の本質を知ることができる。
③普通を知り、逸脱を探す
・・・普通を知るということは知識をつけるということ。知識をつければ別の視点で問題を見ることができる。
④問題を明確にする
・・・問題が明確でなければ、解決するための答えはあいまいさを生み、誤解と無理解の悪循環をもたらす。
3章:捨てる技術
最高の成果をあげるためには、ノーと言い断ることも必要である。
3章では、不要なものを捨てるための上手な考え方について説明されています。
問題の最終形を「完全に明確」にすることで本質を見極め、重要でないことに労力やエネルギーを浪費する必要がなくなります。
ここで重要になるのが”本質目標”を決めることです。
本質目標というのは、単に会社のビジョンやミッション、価値観や業務目標のことを指しているのではありません。
シンプルで、具体的で、魅力的で、測定可能な目標
優れた本質目標があれば、迷いなく目標に向かって進み続けることができます。
また、これは仕事や会社だけの話ではなく、個人の人生においても重要となります。
人生における本質目標を決めておけば、人生に意味を与え正しい方向へ導いてくれるのです。
本質的なもの・大切なものを知っていれば、断ることの必要性がわかります。
しかし「ノー」というのは勇気がいることで、とても不安があります。
それでも「ノー」と言わなければ、大切なものを失うことになってしまいます。
エッセンシャル思考の生き方は、ノーを言い続ける生活になります。
そのため、上手な断り方を身につける必要があります。
①とりあえず黙る
・・・気まずい沈黙を怖がらず、逆に味方につける。相手の何かを頼まれたら、少し黙ってみて落ち着いてたら自分の意見を言ってみる。
②代替案を出す
・・・代替案を出して相手に歩み寄ろう。例えば、期日や回答の先延ばしにするなどで、考える期間を確保する。
③予定を確認して折り返します
・・・相手に何かを頼まれたらすぐにイエスと言ってしまうのではなく、このように言って時間をおいて考えるようにすれば、断ることが容易になる。
④どの仕事を後まわしにしますか?
・・・上司などからの依頼は断りずらいものだが、このように言い上司にトレードオフを意識させることで断ることができる。
非エッセンシャル思考の人は、過去の損失の囚われ手放すことができない。
過去の損失とは、例えばすでにお金や時間を支払ってしまった無駄なことや、自分がリーダーとして関わっていたが利益を上げられないプロジェクトなどであり、それらを「自分のもの」と感じることでなかなか手放すことができない状態となってしまうそうです。
そこで、そうしたものを上手に手放すテクニックが紹介されています。
①持っていないふりをする
・・・「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくら払うか?」というような「もしも」の考え方をすることで、冷静に判断することができる。
②第三者の意見を聞いてみる
・・・何の利害のない立場からのアドバイスは、執着を断ち切るのに役立つ。
③これを辞めたら損をする?
・・・これをまずは簡単な形で実践してみる。試しにやめてみて不都合があるかを確認するのです。
4章:しくみ化の技術
何かをやり遂げる上でエッセンシャル思考の人は、努力や根性でやりとげるのではなく、すんなり実現するようなしくみを作る。
最終4章では、エッセンシャル思考を身につける上での方法のしくみ化について説明されています。
最悪の事態を想定してバッファをとっておくのが良いという話になります。
非エッセンシャル思考の人は、条件に恵まれたケースを想定して予定を立てようとし、希望的観測に従って生きてしまうそうです。
しかし人生は想定外の連続であり、なかなか思うようには物事は進みません。
そんな時に余裕を持てるようにバッファをとるのが大事になります。
そこで重要となる考え方があります。
それが、「見積もりは1.5倍で考える」ということです。
例えば、ある会議のために30分の時間が必要になると考えたら実際には45分で会議の予定を立てる、というような感じです。
人間には、希望的観測に従って甘い見積もりをしてしまう習性があると言います。
余裕をもつために1.5倍というバッファを持つことで、予測不能のダメージを緩和することができます。
仕事を減らすというのは、あなたにとって障害となっている仕事を除去するということになります。
エッセンシャル思考の人は、障害となっている本当の問題を見極め、それに一度だけ適切なメスをいれ改善します。
非エッセンシャル思考の人は場当たり的に対処するため、応急処置で問題がつぎはぎになっていきますが、エッセンシャル思考の人は最小限の努力で最大限の成果を出すことになります。
例えば、著者のこんな逸話があります。
【問題】
子供がまだ小さいため、著者の妻は1日中子供たちの面倒を見なければならず、ストレスでかなり参っていた。
そのため、快適な子育てをできないでいた。
【原因】
子供たちがいることで落ち着いて過ごせる時間などが取れず、考えたり計画を立てたりする時間が無い。
【対処】
①夫である著者が、授業(当時、学生のため)以外の活動を大幅に減らし、夜は早く家に帰るようにした。
②1日何時間か子供の面倒を見てくれる人を見つけてきた。
【結果】
妻のストレスが軽減し、子供たちとの時間が以前よりもずっと充実した。
非エッセンシャル思考の人は、いざとなったら本気を出そうと考えています。
一方、エッセンシャル思考の人はそうではなく、重要なことをやり遂げるために日頃から正しい習慣を身につけており、それに伴って偉大な結果が自然とついてくるそうです。
そうはいっても悪い習慣が身についてしまっている人はどうすればよいのか?
その方法が、悪い習慣のトリガーを知り新しいトリガーをつくることです。
例えば
例1
【悪い習慣のトリガー】会社帰りにケーキ屋を見るとお菓子を買ってしまう
【新しいトリガー】その店を見た瞬間に向かいの総菜屋でサラダを買うようにする
例2
【悪い習慣のトリガー】朝、目覚ましの音で起きたらメールチェックをしてしまう
【新しいトリガー】目覚ましが鳴った瞬間に本を手に取って読み始める
こうして正しい習慣を身につけるようになるようです。
非エッセンシャル思考の人は、過去や未来に囚われて今を生きることを忘れてしまうと言います。
一方エッセンシャル思考の人は、今ここに集中するそうです。
今に集中することで、目の前の仕事に全力でエネルギーを注ぐことができ、最大の成果をあげることができます。
では、今この瞬間を集中して生きるのはどうすればよいのか?
そのテクニックが紹介されている。
①「今、何が重要か」を考える
・・・やるべきことが多すぎて何からやってよいかわからないときなどは、いったん間をおいてこのように考える。
②未来を頭の中に抱えない
・・・頭に未来のことが詰まっていると、今この瞬間に集中できない。
③優先順位をつける
・・・今すぐやるべきことのリストを作り、優先順位をつける。そしたら順番に片づけていこう。
【まとめ】エッセンシャル思考で人生を豊かに
エッセンシャル思考を身につけるにはそれなりに時間がかかるが、いったん身につけてしまえば、その恩恵は一生ものであると言います。
【①迷わない】
・・・エッセンシャル思考を身につけると、見極める技術や捨てる技術を実践し続けることで、どんどん簡単になっていき迷わなくなる。
【②流されない】
・・・エッセンシャル思考を身につけると、自身が持って立ち止まり、ゆっくりと考え、きっぱりとノーを言うことができる。
【③日々が楽しくなる】
・・・エッセンシャル思考を身につけると、日々の暮らしが充実し、今をもっと楽しめるようになる。
エッセンシャル思考は、「より少なく、しかしより良く」という考え方であり、最小の時間で最大の成果をあげることに繋がります。
「より少なく、しかしより良く」という自分の力を最大限の成果に繋げるためのシステマティックな方法
・・・本当に重要なことを見極め、重要でないものは捨てることで、最高の成果を生み出す
エッセンシャル思考の人の生き方は、シンプルな生き方となり、人生における重要で本質的なものを見極められます。
エッセンシャル思考についてさらに学びたい方は、ぜひとも本書をお手に取ってみてください。