どうも、ぶんちょです。
今回は、書籍「マンガでわかる認知行動療法」を読みました。
本書を読むきっかけですが、僕が適応障害に悩まされていた時に
なんとか解消するすべはないかと探していた中で出会いました。
↓僕が精神病(適応障害・うつ病)を患った経験を記事にしております。
本書は、著者が大野裕氏、マンガがさのかける氏とサイドランチ氏により出版されたものです。
著者の大野裕氏は精神科医であり、認知療法の日本での第一人者と言われているそうです。
内容では、マンガや絵、図解をふんだんに使われており、非常に読みやすいように作られています。
また本書は、基本的には患者を支援する方に向けられた書籍だと思われますが、
僕のような精神病を患った人にも非常に参考になる本です。
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認知行動療法とは
僕たちは日常的にいろいろなことを絶えず判断しながら生活をしていますが、
この次々に行っている判断のことを「認知」と呼ぶそうです。
この「認知」を意識することはほとんどないそうで、
さながら「自動運転」をしているような状態だと言います。
しかしその「認知」は、強いストレスがかかると、
その判断に狂いが生じてしまい、「認知」を改めて確認する必要があるそうです。
「認知」というのは、次々に出合う情報を判断するこころの働きで、それに応じて私たちのこころが反応します。
現実にそぐわない極端な判断をしてしまうと、気持ちがつらくなったり、不適切な行動を取るようになったりします。そのようになったときには、こころの「自動運転」モードを一旦停止して、「手動運転」モードに切り替える必要があります。
その切り替えを上手にできるように手助けするのが、本書で紹介する認知行動療法です。
本書より引用
強いストレスを感じると通常、自動的に判断、つまり認知していることに狂いが生じて、
情報をうまく判断できず、マイナスな方向に極端に考えすぎてしまう状態となるそうです。
その時に、現実をしっかりと見つめて自分の考えについて振り返り、現状の問題を手動的に認知する、
その手助けをすることが認知行動療法のやり方だと言います。
以降は、本書に記載されている内容の中から、
適応障害を患っている僕が特に参考になったところについて紹介していきます。
思考のエラーに気づこう
問題にうまく対処できなくなっているときの考え方の特徴として2つあるそうです。
- 決めつけが強い
- 今に目が向いていない
この状態になっている判断指標として「決めつけ言葉」があると言います。
いつも やっぱり どうせ 何をやっても 決して
こうした言葉が出てきたときは要注意だそうです。
また、この考え方の内容をさらに細分化すると、
- 先走り思考(根拠がないまま結論を急ぐ)
- 白黒思考(よいか悪いかでしか考えない)
- べき思考(厳しいルールで縛る)
- 自己批判(自分だけを責める)
となるそうです。
しかしこれらの考え方には良い面もあり、
- 先走り思考→決断が早い
- 白黒思考→きちんと判断できる
- べき思考→頑張れる
- 自己批判→内省的
と言えるそうです。
しかし、ストレスを抱えているときに極端なマイナス思考に陥ってしまうと、
悪い側面が陥り「決めつけ」になることで、問題に対処できなくなるそうです。
これらは現実から乖離した決めつけとなってしまい、
「一時的な情報処理プログラムのエラーが起きている状態」となっているとのことです。
僕の場合は、先走り思考に陥りやすいと感じており、物事をとにかく早く解決したいと考えてしまいます。
認知行動療法では、そのプログラムを修復をし適切に判断できるように手助けすると言います。
「決めつけ言葉」という形で出てくる思考のエラーにいち早く気づきたいものです。
視点を変えて考えてみる
視点を変えると新しい見方ができるそうです。
- 「第三者の立場」に立ってみる方法
- 「過去(ないしは将来)の自分」になってみる方法
「第三者の立場」に立った場合では、信頼できる人を思い浮かべて、
もしほかのママが赤ちゃんの夜泣きに困っていたら、
あなたなら何と言ってあげますか?
親友に相談したら、何と言ってくれるだろう?
などと考えてみます。
「過去・将来の自分」に立った場合では、
元気な時の自分だったら、
どう考えていただろうか?
5年度、10年度に今を振り返ったら、
どのように考えるだろうか?
などと考えてみます。
このような問いかけを自分にすることで、
それまで自分本位に考え固まっていた思考が柔軟になり、
新しい発想が生まれてくるそうです。
僕の場合は、元気な時の自分の思考を想像することが結構効果があるように感じました。
元気な時の自分は、意外と普通に対処していた気がするな
といった感じですね。
こうした考え方が、問題に適応するために大事なのかもしれません。
心が軽くなる行動を見つける
行動を通して心を元気にする「行動活性化」という方法があるそうです。
何か問題が発生した場合、落ち込みやマイナス思考に陥ってしまいますが、
そこからまずは気分を変えることが大切だと言います。
やる気・意欲などに気分を変えるためには、「楽しい行動ややりがいのある行動」が必要だそうです。
そのためにはまず、日常で行っている行動を振り替えし、
自分にとって心が軽くなる・楽になる行動は何かを見つける必要があります。
本書では、活動記録表を使って行動と気分のモニタリングをすることを薦めています。
それにより普段はあまり考えていない行動と気分の関係を明確にして、
どういう行動の時に心が軽くなったり、あるいは辛くなったりするのかを知ることができます。
心が軽くなる行動がなかなか見つからない時には、次のようなことを意識すると言いそうです。
- 過去にやってみて楽しかった行動ややりがいを感じた行動をリストアップ
- 「何もしないこと」をやってみる
- 今の暗い気分とは逆の行動をしてみる
具体的には
・気分転換(マンガを読む、いつもと違う道を通る)
・遊び(キャッチボールをする)
・買い物(洋服を買う)
など
・何もしない(ぼーっと空を眺める)
・何か遊び心のあること(「~が楽しかった」と言い合う)
・リラックスできること(ゆっくり風呂に入る、入浴剤を入れる、お香をたく)
など
・一番明るい服を着る
・鼻歌を歌う
・スキップをする
など
このような行動から、自分にとっての心が軽くなる行動を見つけてみましょう。
不安はシャボン玉
怒りや不安をコントロールすることは、認知行動療法においても重要だと言います。
不安などを強く感じるようになると僕たちはとっさに回避行動をしてしまうそうです。
不安を感じるのは「危機」が迫っていると考えるからです。そのために、危険から逃げようと回避行動を取るのです。
しかし、そこで逃げてしまうと、それがどの程度危険なのか確認できず、「危険だ」という自分の思いだけが強く残ります。
・・・
こうした回避行動ないしは安全(確保)行動はかえって不安を強めるだけです。
本書より引用
こうならないためには、不安な時こそ思い切って行動してしまい、
危険の度合いや他社の手助けの必要性という現実を確認することが役立つそうです。
しかし、思い切って行動することで一時的に不安が高まる可能性があります。
そのときには「不安はシャボン玉のようだ」と考えるといいそうです。
不安が一時的に高まっても、少しずつ弱くなって、シャボン玉がはじけるように消えていきます。その体験をするためには、途中で気をそらさず、不安が消えるまできちんと向き合うようにします。
本書より引用
冷静に考えれば、確かに不安はシャボン玉のように徐々に消えていくと感じられます。
特に精神病を患ってしまった場合は、極端なマイナス思考に支配されてしまうこともあるため、
そのようなマイナス思考による想像は、実際は大した問題ではないことが多いように思います。
本書では「不安は想像が膨らみすぎたもの」と言っています。
こうした実態に、なんとか気づく必要がありますね。
以上、書籍「マンガでわかる認知行動療法」をご紹介しました。
本記事が、精神病などで悩む多くの人のお役に立てばと思います。