北野唯我「転職の思考法」転職に勇気が出ない人必見!感想・レビュー

どうも、ぶんちょです。

今回は書籍「転職の思考法」を読みました。

僕は今会社を休職中なのですが、休職をきっかけに転職について最近考えるようになりました。

しかし今まで転職をしたことがないので、どうも一歩踏み出せないでいましたが、そんな中本書に出会いました。

本書は、タイトル通り転職を行うための思考法・考え方を記したものになり、転職における根本的な部分について触れられています。

多くの人が悩むであろう転職について非常に明快に解説されており、「なぜ転職したほうがよいのか?」「なぜ自分は転職したのか?」「転職における方向性・重要事項」など、転職に勇気が出ない人に問いかけるような内容になっています。

また、物語形式になっているのも本書の読み進めやすいところになります。

転職をすること

転職とはどういうものか?転職をする理由は何か?本書ではそういったことにも追及してくれています。

転職が怖いのは「初めての意思決定」だから

転職について「怖い」という感情が出てくる人は多いのではないかと思います。

漠然と抱えている不安についていろいろな理由が付けられそうですが、本書では転職は多くの人にとって「初めての意思決定」であるからと説明されています。

つまり、多くの人はこれまで実は何も意思決定しないで生きていると言います。最初の就職先なども自分で意思決定した結果ではなく、あくまでもそれまでのレールに乗って進んできただけだそうです。

それは少しわかる気がします。僕も学生時代~社会人にかけてレールに乗って生きてきた実感があります。

↓そのことについて記した記事があります。

天職・適職に出会うにはどうすればよいか?

意味のある意思決定というのは必ず、何かを捨てることを伴う。

本書より引用

転職に恐怖心を感じてしまうのは、転職により何かを手にするのではなく、人生で初めて何かを手放すことになるからだそうです。

それまでの実績や積み上げてきたものが大きいほど恐怖心が大きくなってしまい、転職に踏み出すことができなくなってしまうのです。


転職は「善」、生きていく力・食べていく力を身につける

「転職は悪」という言葉は大きな間違いであると本書では指摘しています。

まず転職をするということは自ら選択肢を作り出すことになり、その選択肢を持つからこそ自分の働き方に対して嘘をつかずに向き合うことができると言います。

しかし選択肢がなければ、自身に小さな嘘をつくことになってしまい仕事が非常に窮屈なものになってしまうそうです。

そのため我々「生きていく力・食べていく力」を身につけ、自信をつけていくことが大事であるということです。

転職が悪だというのは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、姑息な言い訳にすぎない。

本書より引用

転職は「ということです。


大事なのは「マーケットバリュー」

転職で大事にしなければいけないことは「自分のマーケットバリュー」を知ることだそうです。

マーケットバリューとは「市場価値」のことです。

転職において、または今の働き方においては、自分を一つ「商品」だと考えることが大事であり、自分がマーケットにおいてどのような価値や位置づけとなっているかが転職における肝だと言えます。

マーケットバリューは3つの視点から図ることができるそうです。

  1. 技術資産・・・自身の専門性や経験
  2. 人的資産・・・人脈
  3. 業界の生産性・・・平均一人あたりの生み出す価値(粗利)

この3つの指標のバランスが重要となるみたいです。


20代は専門性、30代は経験をとれ

上述したマーケットバリューの一つである技術資産を高めるためには、20代のうちは「専門性」を重視し、30代には「経験」を重視すると良いと言います。

「専門性」は誰でも学べば獲得が可能であるという側面がある反面、年を取るほどそこでの差別化は難しいと言います。

しかし「経験」は汎用化されにくい側面があるらしいです。

なので20代の早いうちに専門性を獲得することでできる仕事を増やしていき、30代以降では経験で勝負することが重要だと言います。


「働きやすさ」はマーケットバリューと一致する

転職先を選ぶ基準の一つで「働きやすさ」を求めることがあると思います。

一見「マーケットバリュー」とは相反するもののように感じますが、実は長期的にみると両者は一致することが多いと言います。

というのも、会社の経営が良いときはマーケットバリューに関係なく皆仲良くやっていけるが、経営が悪くなったときにマーケットバリューが無い人間は、自分の居場所を確保するために他人を蹴落とすなど残忍な姿を現すと言います。

一方、マーケットバリューのある人間が占めている会社では、各々が価値を持っているため会社に無理にしがみつくこともないため、社内でも良好な人間関係を保つことができるのです。


マーケットバリューと給料のギャップを、この国では40代後半まで教えられない

世の中には自身の能力以上の給料をもらっている人がいると思いますが、そのような人も含めてマーケットバリュー給料は時間差で一致するらしいです。

つまり給料をもらい過ぎている人もどこかで減給などに遭い、自身の価値に見合った給料になっていくということです。

そのため、転職の際に企業で迷ったら未来のマーケットバリューを取れと言います。

その時に給料が高い企業に行くよりも自分のマーケットバリューを高められる企業に未来に投資するということですね。

そして恐ろしことに、この国ではこの事実を40代後半まで本人に隠しておくと言います。


転職に際して気をつけるべきこと

中途を重宝できる会社か?

会社というのは普通は中途社員と新卒社員のバランスがとれてるそうですが、中には「中途重視の会社」と「新卒重視の会社」があるそうです。

転職者からしてみれば、もし後者に入ってしまった場合には活躍の場はあまり無く、出世の機会も非常に低いと思われます。

そうならないためには、あらかじめ知っておく必要がありますね。

その方法の一つとして会社の経営陣の経歴を見れば、中途と新卒のバランスを確認することができ、将来の「出世のしやすさ」の判断指標になります。


何に重きを置くか?to do型とbeing型

仕事を楽しむためには何を楽しめるかが重要であり、それは2パターンに分かれるそうです。

  • to do(コト)に重きをおく人間・・・何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている
  • being(状態)に重きをおく人間・・・どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

それぞれ基準が違うが99%の人間が「being型なんだそうです。

つまりは、楽しめることを見つけるのではなく、楽しめる「状態」を見つけるほうが多くの人にとっては重要らしいです。

多くの人が心からやりたいこと・楽しめることを探すのが大事だと思っているかもしれないが、それよりも「ある程度やりたいこと」を見つけてそれを楽しめる状態であることが大事であるのです。

そしてこの「ある程度やりたいこと」は必ず見つけると言います。

そうなるとかなりハードルも低く感じ、誰にでも良い環境が見つかる気がしますね。


ある程度好きなことを見つける方法

上述したbeing型の人間がある程度やりたいこと・好きなことを見つけるためには次の方法があると言います。

  1. 他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」から探す方法
  2. 普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す方法

自分でピンとこないが他人から上手だと言われるものは、「できるもの」である可能性がありそれがわかれば自分の才能と好きという気持ちを見つけることができると思われます。

そして仕事をしているなかでまったくストレスを感じないことがあるならそれこそ天職であると言えるのでしょう。


100%失敗を招く、唯一の条件

最後に、転職で失敗することが恐ろしいと感じる人に少し身を引き締めてくれるような言葉を紹介します。

失敗というのは誰にでもあるものでありますが、「失敗は成功の素」という言葉がある通り、最後に成功すれば失敗は必要なものであったと言えます。

しかし「100%失敗を招く、唯一の条件」があると言います。

それが「腹を括るべきタイミングで、覚悟を決めきれなかったとき」なのです。

人生では何度か腹を括るタイミングが存在するそうで、転職もそのタイミングになる可能性があるそうです。

いざその時に覚悟をきめれずにいると100%後悔するのです。

しかし腹を括れた人間は、長期的に見れば失敗などないそうです。

もしその場では失敗したと感じ、また他人に笑われたりしても、自分の将来を向いて考えることが大事なのでしょうね。

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