スペンサー・ジョンソン「チーズはどこへ消えた?」を読んで


どうも、ぶんちょです。

今回は、書籍「チーズはどこへ消えた?」をご紹介します。

本書は、米国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソン氏によって

執筆されたものであり、ビジネス書としても人気のあるものです。


ビジネス書というと堅苦しい印象がありますが、

本書の内容は物語形式になっており、また100ページほどしかないので、

本を読むのが苦手な人でも比較的読みやすくなっていると思います。

そして本書の伝えたいメッセージはたった一つだと考えます。

それを本記事でご紹介したいと思います。


チーズを探す「ねずみ」と「小人」の物語

本書では以下のような2匹のねずみと2人の小人が登場します。

  • ねずみの「スニッフ」と「スカリー」
  • 小人の「ヘム」と「ホー」

物語は彼らがチーズを探すことを軸に話が進められているが、

この物語の主人公は小人の「ホー」だと考えられます。


物語の内容いたってシンプルです。

  1. 2匹のネズミと2人の小人はそれぞれチーズを探す
  2. ある日彼らは迷路の中で、十分な量のチーズを見つける
  3. 彼らはチーズを堪能していたが、ある日チーズが無くなる
  4. ねずみ2匹は新しいチーズを求めて旅に出るが、小人2人はその場に留まり無くなったチーズを求める
  5. ねずみは新しいチーズを見つける
  6. 小人のホーは留まることの疑問を感じ、旅に出る
  7. ホーは時間はかかったが新しいチーズを見つけた

このようにまとめると非常にシンプルであるが、

重要なのは小人の行動の違いになります。

小人は初めに十分な量のチーズを見つけることができ、

「これで一生安泰だ!」くらいの感覚でいたと思います。

しかしある日チーズが完全になくなっているのを見ると

チーズはどこへ消えた?」と慌てふためき、

出てくるはずのない無くなったチーズをその場で探し回ります。

しかし、ホーは探し回ることに疑問を感じ、再びチーズを探しに出ます。


このようにみると、ただ食料であるチーズを探しているだけの話に聞こえますが、

これは私たちの生活に置き換えることができます。

ここでいう「チーズ」とは、端的に言うと「人それぞれがもとめるもの」と考えられます。

例えば、会社員の場合で考えると、会社員がもとめるものとして思い浮かぶのは

安定した会社、自分の能力を発揮できる仕事、満足のいく福利厚生

といったものが挙げられると思います。

これらがいわゆる「チーズ」と考えることができます。

しかしそのチーズが突如失われることがあるかもしれません。

その時に「変化を恐れずに行動できるか」がその後の人生を決めると、

それが本書の伝えたいところだと考えられます。


ホーの格言

ホーが物語の中で成長するたびに出る言葉があるのですが、

これが物語の本質を学ぶ上で非常に大事になるので、

そのホーの言葉を紹介したいと思います。

チーズを手に入れれば幸せになれる

最初にチーズを見つけて堪能しているときの言葉です。

これはいろいろな人が感じていることだと思います。

自分の求めるものが手に入れば、それだけでも幸せになる可能性はありますからね。


自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる

これはいわゆる執着心ですね。

小人はその執着心の感じるチーズがなくなったことで取り乱しています。

私達も同じことが言えると思います。

仕事で自分が頑張ったことや積み上げてきたものがあれば、

それだけその仕事に執着する気持ちは自然と芽生えると思います。


変わらなければ破滅することになる

しかしチーズはなくなってしまったわけですが、

私たちの場合だと、例えば会社の景気が悪くなったときなどに

会社員
会社員

そのうち前みたいに景気が良くなるだろう

前は景気が良かったのだからきっと大丈夫だ

といって会社に残る人がいるとします。

しかし会社の景気は客観的に見たらもう回復しないだろうという場合、

その会社の社員は転職するなど変わろうとしなければ

ともに破滅するでしょう。


もし恐怖がなかったら何をするだろう?

この考え方は非常に参考になりました。

物事が変化するときは常に恐怖が付きまとっていると思います。

恐怖心があることが役立つこともあるかもしれませんが、

恐怖しすぎてまったく身動きがとれなくなってもどうしようもありません。

しかしもしその恐怖心がなかったらどのように行動するだろうか、

これを考えるだけでもかなり純粋に選択肢について考えられると思います。

つねにチーズのにおいをかいでみること そうすれば古くなったのに気がつく

これは常に自分の状況を確認せよ、ということだと思います。

そうすればチーズが無くなることは予想がつきますからね。

新しい方向に進めば新しいチーズがみつかる

その場に留まってもチーズ(もとめるもの)が無くなった空間をただ見つめるだけ、

しかし新しいところに進むことで新しいチーズ(もとめるもの)に出会うことができます。


恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる

一度行動してしまえば、意外と楽であるということを伝えたい一文だと思います。

踏み出すまでが難しいのであって、踏み出してしまえば意外となんとかなったりもします。


まだ新しいチーズがみつかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する

しかしいざ違う道へ歩みだしたとしてもすぐには見つからないかもしれません。

その時は、見つかった時の自分を具体的に想像する

それが成功への道しるべともなるでしょう。


古いチーズに早く見切りをつければそれだけ早く新しいチーズがみつかる

これは会社員でいえば、転職に例えられると思います。

今の会社に不満があるので転職活動をし、新しい会社を見つける

今の会社への不満がわかれば、それに対して早めの対処・行動が大事なのでしょう。


チーズがないままでいるより迷路に出て探したほうが安全だ

会社員でいうならば、今の会社で働き続けることで体を壊すよりも

きっぱり辞めて新しい会社を探したほうが身体的にも安全である

というように例えられるかと思います。


従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない

古い考え方に固執しては新しい道は見つからない、

視野を広くもって行動することが大事だということですね。


新しいチーズをみつけることができそれを楽しむことができるとわかれば人は進路を変える

未来が明るいものである

このようなことがわかれば人は一歩踏み出すことに勇気が湧いてくるのだと思います。

私たちはどれだけポジティブに想像し、行動できるのか。


早い時期に小さな変化に気づけばやがて訪れる大きな変化にうまく適応できる

今の自分自身の状況に何か変化が起きていないか

その気づきの積み重ねによって、いざという大きな変化にも

うまく対応することが可能なのだと思います。


ここまでホーが綴った後に、新しいチーズを見つけました。


小人の「ホー」がチーズを探す旅で得たもの

ホーは新しいチーズを見つけるまでの経験をもとに以下のような言葉を残りました。

  • 変化は起きる(チーズはつねにもっていかれ、消える)
  • 変化を予期せよ(チーズが消えることに備えよ)
  • 変化を探知せよ(つねにチーズのにおいをかいでいれば、古くなったのに気がつく)
  • 変化にすばやく適応せよ(古いチーズを早くあきらめればそれだけ早く新しいチーズを楽しむことができる)
  • 変わろう(チーズと一緒に前進しよう!)
  • 変化を楽しもう!(冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう!)
  • 進んですばやく変わり再びそれを楽しもう(チーズはつねにもっていかれる)

ホーは「変化」というものに対して多くのことを学びました。

それは私達も日常の中で気づいていかなければならないことかもしれません。

変化が多い時代、目の前の場所・物事にのみ固執していては

自分が本当にもとめるものは去っていき、取り残されてしまうかも。

そうならないようにも変化を恐れずに変化を喜ばしいものとして受け入れ、

変わっていかなければならないのかもしれません。


チーズと一緒に前進しそれを楽しもう!

こう締めくくられて物語は終了しています。


この物語はとてもシンプルですが得られるものは大きいです。

よろしければ読んでみてください。

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